勝間和代さんのクロストークへの投稿(ベストアンサー受賞) (毎日新聞)2008年12月
勝間さんの提案である「政府の目標達成を後押しするとともに、国任せでない個人の寄付活動も盛り上げていく」ことに賛成です。
まず、国際協力の目的ですが、外務省発行の2007年ODA白書の第1章第1節で明確です。
1.世界第2位の経済規模の日本が人道的問題や地球的規模の問題の解決に取り組むことは日本に課せられた責務。
2.資源・エネルギー、食料などの多くを海外に依存する日本は、国際社会の相互依存関係の中で、自らの安定と繁栄を追求していく必要がある。
3.開発途上国への支援を通じて国際社会の平和と発展に寄与することは、日本と日本国民に対する信頼感を高め、日本の安全と繁栄の確保にも寄与する。
私の言葉で要約すると、「ノーブレス・オブリージ」「自分の得意なことを持ち寄って、全体を向上させる」「周りの人や国を助けることは自分を助けること」です。これらの国際協力は、日本が国際社会で生きていくためには不可欠な活動です。
また、日本は憲法の前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言しています。つまり、「武力ではなく公正と信義を自国の安全と生存の保持の基礎とする」ということです。武力自衛の前に、世界の中で日本に対する尊敬と信頼を築くことを行うことが優先します。したがって、国際協力は日本国憲法で決めた日本国としての責務ということです。
次に、個人での寄付活動が必要な理由ですが、国のレベルで行う諸問題の緩和と個人レベルでの国際協力への参加があげられます。 国任せの弊害は、「事業を通じて、自らの利益を追求する動きが出てくる」、「協力の対象が特定の国や事業に偏る」、「協力する会社が特定化される」などです。これらの弊害をなくしつつ、国際協力を進めるには、方針と目標を自国日本を含めた世界に向けて発信し、どのように世界に貢献していくかをあらゆるメディアと機会を通してアナウンスし、確実に実行し、その結果を全世界に向けて発表する、というサイクルの実行が必要です。アクセスしやすい形での情報公開により、日本国民レベルでの国際協力の自覚と実施の監視レベルを上げる必要があります。
「個人レベルでの国際協力への参加」については、国レベルでの国際協力の目的を個人のレベルに言い換えれば説明できます。さらに個人のレベルでは情緒の領域である「幸福」という概念も追加できます。自分の幸福は周りの幸福によって支えられて達成できると思います。